12のコルシカ島の歌
蓬莱泰三に捧ぐ
音叉庫にギリシア銅貨の墜ちる音わが鎖骨さえ共鳴りのする
マクダウエル鳥なき空の高みから洗礼式に降下する羽根
あかときの霧たつ森に発せられる鳥類の令『パパゲーノ狩れ』
唇と唇はなれてのちも止まざりし錨泊船のホ音の汽笛
月の蝕なかばをすぎぬ神の蝕はどこをすぎるやあどけなき漁夫
芽生えとは弱く追うこと牧神をケルビン度数の高い空まで
血と風がまじわる瞳にさわるのはかもめが連れてきた共和国
欠けた貝手にぬくめれば一世百世宝探しに行かなくていい
着岸のあてなき航路いつの日も無数の海に一隻の船
ザムザこそ詩人の鑑胴乱に蝶入れたまま行くピクニック
鐘の音の疲れてとどく 半球に戦争がまだ生きている午
かなしみにほほえむべけれ いちい樹をチェスの駒へと彫りあげる秋
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