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2010年1月

2010年1月22日 (金)

ニューヨークの唇



月を追う途中の子どもにあいさつをさよならみたいに青いハローを



メリーゴーラウンド過酷な豊かさに目ひらきてまた回りくる馬



霧吹きで虹を作った九月から空を見ようとしない人のため



頬をつたうイルカの群がすきとおり明日の海の音階になる



海を吹き樫の木を吹き風は来たツーストライクののちのホームへ



打者走者一塁空過スタジアムにテロの予感の冴えざえとして



かなしみも改札口を出るときは勤め人の顔を装っている



何度でもぼくの強さを信じ直すニューヨークのニューヨークのビルの幽霊



時計工の指さき涼し世の終わりを鳴きわたる鳥の止まり木に似て



今日ひと日笑わなかったおじいさんが夜空に「ぼく」と吐く白い息



やさしさの陽はふりそそぐ青空をくちうつしにて運ぶわれらに



いまどこの青にふれてるぱれいどをおえてはなした白いふうせん



ゆく空と大西洋の中ほどにビルが二人でまだ生きている



デスクから顔をあげてね 銀色の 飛行機が 淋しがるのでよろしく



卵と卵をぶつけると片方だけ割れる片方だけ割れる



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